スキー検定とは(SAJ・SIA等)

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スキー検定とは

スキーをしているとたまに聞こえてくる「検定」という言葉。

スキーの検定って何?どんな試験?

どんな事するの?誰でも受けれるの?

それでインストラクターになれるの?

SAJ?セミシルバー? あ、私もUFJのゴールドカード持ってるよー!…え?

はい、ここではそんな「スキー検定」の疑問について解説します。

目次

・スキー検定の種類

・検定を受けるメリット・デメリット

・スキー技術検定とは

・スキー指導員(教師)検定とは

・まとめ

スキー検定の種類

スキー検定は、大きく分けると2種類あります。

1つはスキー技術を評価する「技術検定」と、もう一つはインストラクターの指導資格を公認する「指導者(教師)検定」です。

日本には2つのメジャーなスキー団体(「SAJ」と「SIA」)があり、それぞれがその「スキー技術検定」と「スキー指導者(教師)検定」の制度を持っています。

それぞれの団体の違いを簡単に説明すると、「SAJ」はプロ(インストラクター含む仕事にする人)やアマ(選手や一般スキーヤー)問わずに様々なスキーヤーが所属する団体で、「SIA」はプロスキー教師(インストラクター)が所属する団体です。

一般的に「スキーの検定」と言うと、技術を評価する方の「技術検定」を指すことが多いです。

ちなみに私が以前働いていたカナダでは、「CSIA(カナダのスキー協会)」のインストラクター資格の検定の方がメジャーで、技術検定は…やってるのかな?という感じでした。(存在するようでしたが…)インストラクター検定は結構な頻度で行われていましたね。

私は今まで何だかんだと、たくさん検定を受けてきました。

ということで、超個人的な意見ですが、次に検定のメリット・デメリットを上げてみたいと思います。よかったらどうぞ。

検定を受けるメリットデメリット

完全なる私見です。試験の私見です。(言いたいだけ(笑))

メリット

・「受かれば嬉しい」

これはその通り、やはり受かれば嬉しいです。バッジや賞状(カード)なんかも貰えて、記念やいい思い出になりますね。私も子供の頃に取ったのから大人になって取ったものまで家に保管してあります。

・「良い刺激になる」

 検定に申し込むとやっぱり「練習してやろう!」「スキーがんばるぞー」という気になりますね。普段味わえない緊張感やワクワク感が生まれます。

・「スキーが上手くなる・知識が増える」

 どうせなら受かりたいので練習したり知識を吸収したりします。その結果スキーが上手くなり、体の使い方やバランス感覚が向上します。スキーやスポーツへの理解も深まります。緊張を乗り越え・試験を乗り越えるので、検定前より一回り二回りと成長できる気がします。

・「落ちた理由を教えてもらえる」

 落ちたら悔しいです。けれどもなぜ点数が足りなかったのかと原因を教えてもらえます。(スーパー大人数受験だともしかしたら教えてもらえないかも)

・「一緒に滑ったことが無い人でも大体のスキーレベルがわかる」

 例えば、ショップの店員さんと話す時やスキーインストラクターと話す時に「SAJ2級くらいです」とか「SIAゴールド受かりたいです」と伝えると、だったらこの板やブーツがオススメですね、とかレッスンでこういうことしていきましょう等と、より具体的なやりとりができるようになります。

一言「中級です」とか「上級コースが滑れます」といってもそれぞれピンキリなので…。

あとは初対面の方との会話でも「スキー相当やり込んでらっしゃるそうですね?私もスキーが好きで…」「はい、実は先日SAJ1級に合格しまして…」「そうですか、おめでとうございます。実は私も…」といったように熱心な方同志でしたら話題の1つになるかもしれません。

デメリット

・「落ちれば凹む」

 これはもう「悲しい・悔しい・コンチクショー」です(笑)

・「時間がかかる」

スキーの練習をする時間を作りたくなります。あとは研究や勉強が必要なレベルの検定の場合、私は家で本を読んだりDVDを見たりもしました。

・「費用がかかる」

受験代、バッジ料や認定料等がかかります。あと勉強・研究資料や練習に行くお金ですかね。

・「試験中のあの感じがイヤ」

人に評価されるのがイヤって方もいると思います(笑)

こんな感じでしょうか。私の場合、メリット・好印象に感じる項目の方が多かったですね。

次はいよいよ本題検定の中身「技術検定」と「指導者(教師)検定」について見ていきたいと思います。

スキー技術検定とは

受験者はレベルごとに設定された種目を滑り、それを検定員が評価します。

基準点以上の滑りをして合格すると「バッジ」や「合格証」が貰えます。そして認定料が飛んでいきます(笑)

日本でメジャーなのはSAJのバッジテストですかね。1級とか2級とか。SIAの方は日本ではメジャーじゃないのですが、国際基準のインターナショナルな検定になります。こちらはゴールド、セミゴールド等です。

SAJとSIAで検定の名前が違います。

正式名称

SAJ:スキーバッジテスト

SIA:国際スキー技術(IT)検定

種類

SAJ、SIA共に技術レベルや年齢(ジュニア等)で分かれています。

子供でも一般年齢用の検定を受ける事ができます。

レベルの数

SAJ スキーバッジテスト

プライズテスト:クラウン・テクニカル(クラウンが上の2段階)

級別テスト:1-5級(1級が上の5段階)

ジュニアテスト:1-6級(1級が上の6段階)

※級別テストの上がプライズテスト

SIA 国際スキー技術(IT)検定

IT検定:スーパーゴールド-セミブロンズ(スーパーゴールドが上の7段階)

ジュニア:ゴールド-グリーン(ゴールドが上の6段階)

シニア:ゴールド-シルバー(ゴールドが上の3段階)

※レベルの名前「スーパーゴールド>ゴールド>セミゴールド>シルバー>セミシルバー>ブロンズ>セミブロンズ」

SAJとSIAの難易度比較

私はSIAのテストを見たことがないので比較できませんが、巷で耳にする話だと、大体このような感じでしょうか。(聞いたことあるののみ)

SAJクラウン:(<?)SIAスーパーゴールド

SAJ1級~テクニカル:SIAゴールド

SAJ2級~1級:SIAセミゴールド

SAJ2級くらい:SIAシルバー:SAJジュニア1級

種目

検定種目はレベル別に設定されています。

整地種目だったり不整地(コブ)種目だったり。あとはスタンス(プルーク(ハの字)やパラレル等の脚やスキーの形)が指定されたり、ターンサイズ(大回りや小回り等)が指定がされたりするので、そこをビシッと見せれるように滑ります。

シャシャーっとカッコよく滑って、今まで培った滑走技術を周りのみんなに見せつけましょう(笑)

その他にも「踏みかえ」や「横滑り」等、それぞれの団体や受験する年度によって種目内容が変わりますので、事前に受験希望の団体や級で行う種目の趣旨・着眼点を知っておくといいと思います。

受験資格

基本はだれでもOK(それぞれの団体の会員である必要無し)。検定のある日又はやってもらえる日に検定料を払って見てもらえば大丈夫です。

基本といいましたのは、上記の中で「SAJの1級合格登録」と「プライズ検定受験&事前講習」には会員である必要があるからです。もし該当時に会員でない場合は、その年度分だけ会費を払って一時的に会員になる形になります(=暫定会員、一時会員)。次年度からは会費を払わなくてOKです。(合格した記録は残ります)

またその続きを受ける時に同じように年会費を払って暫定会員(一時会員)になります。(受験時に合格証を見せてと言われますので、貰った合格証は、ケータイで写真に撮っておいたり、コピーを取っておいたりするのがオススメです)

スキー指導者(教師)検定とは

こちらはスキーインストラクターをする時に使う資格になります。技術検定と大きく異なる点は、受験資格と検定種目です。

受験資格

両団体共、受験者は、団体の会員(準会員)である必要があります。

またSAJは準指が18歳以上、指導員が21歳以上と年齢制限があります。

検定種目

検定種目は、技術検定と同様に、団体や受験年度によって異なりますが、スキーだけでなく、理論(筆記)テストや指導科目等があります。

スキーのテストも、検定員の前で滑ることに変わりはありませんが、初級の滑り方(プルーク)から実践的な滑り方(カービング・コブ)まで幅広い技術が問われます。

ちなみにカナダ(CSIA)のテストでは、スキーテストとティーチングテスト(模擬レッスン)の2つで合否が決まり、理論は講義のみでテストはありません。

各団体のレベル数

SAJ(準指導員・指導員)

SIA(ステージ1-3、3が上)

CSIA(レベル1-4、4が上)

受験資格の「会員」について

インストラクターの能力を客観的に示す「団体公認の資格」になるので、所持する資格によっては仕事内容やお給料(笑) 、お客さんの信頼等に関係することもあります。

そのため、検定を受けるためにはどの団体も会員になる(なっている)必要があります。

ちなみにSAJではアシスタントというアルバイト?のような形で、初めてインストラクターをするのに資格が必須ではありません。(代わりに講習を受けます。)

SIAも会員になるためにまずスキースクールへの所属が必要なので、資格受験前にスクールに所属する形になります。(ですのでこの段階で何らかのアシスタント業務をすることになるのではないでしょうか)

というわけで、日本では資格がなくてもスキースクールで働けますが、もし本格的にスキーインストラクターをしたいと考えるなら、ゆくゆくは仕事の幅を広げるために指導(教師)資格を取っておく事をオススメします。

やはり検定を受けると、受かるためにスキーへの理解を深めると思いますし、最低限そのレベル分だけは、スキーが滑れる、スキーを理解している、という事実を世間に示せますので。

雇う側もお客さんも資格無い人よりは資格持ってる人に仕事をして欲しい、教えてもらいたいと思うはずです。

ちなみにカナダで働くのでしたら、例えワーホリという無敵ビザを持っていたとしてもレベル1(1番下)の取得がスキースクールで働くために必須となります。(資格取得j→スクール応募→採用)

まとめ

以上がスキー検定の概要になります。

試験は緊張するし、時間がかかるし、お金もかかるし、体もきついしで大変なものです(…と私は思います(笑))。

しかし自分が「あーでもない、こーでもない」と努力した結果が他人に認められるのは、やっぱり嬉しいです。

スキーにはいろんな楽しみ方があります。例えば、自然を満喫しに山に写真を撮りに行ったり、仲間と一緒に楽しい時を過ごしたり、オリンピック種目もあったりと、生涯楽しめます。

そして検定合格を目標にして努力をするのも、スキーの楽しみ方の一つだと思います。

指導資格に関しても、スキーの楽しみを人に伝えたい、誰かを上手くさせたいと指導者(教師)になるのは素晴らしい事だと思います。

また、海外でスキーをしながら働くために資格を取るの一つの考えかと思います。(海外で働くには上の方の資格があった方がいいのですが、その為だけにわざわざ日本で資格を取り続けるのは、少々遠回りな気もしますけど…)

次は「受験方法や検定種目、評価の観点など」について解説します。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。」という言葉もあります。まずは敵(目標)の詳細を知りましょう。

そしてバッチリ内容を把握して検定に立ち向かい、ぜひ一緒に検定の喜び(や苦しみ(笑))を味わいましょう。

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