スキー指導者検定(SAJ)

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SAJには「準指導員」とか「準指」とか「正指」等と呼ばれる資格があります。

それを認定するための検定を、SAJでは「スキー指導者検定」と呼んでいます。

そもそも「スキー検定」とは、はこちら。又は指導員じゃなくて「普通のスキー検定(技術検定)」が見たいって方はこちらからどうぞ。

ではちょびっとここで指導員検定について詳しく見てみましょう。

目次
・指導資格とは
・受験資格
・申し込み
・養成講習
・検定
・合格した後(研修会)
・まとめ

指導資格とは

指導資格でできること

スキーの指導者、ということでSAJのスキースクールでインストラクターをする時に使えます。あとはSAJの検定ができるようになる「検定員」の資格を受けることができます。

スキー技術検定と違って「指導者検定」では、スキーの理論や安全、指導者についての「筆記試験」があったり、スキーの「実技試験」においては、大回りやコブ等のスキーの実践種目だけでなく、プルークボーゲンや基礎パラレル小回り等の基礎種目の試験があったりします。

種類

SAJの指導資格は「準指導員」(準指)と「指導員」(正指)の2つです。

取得の流れは「1級」→「準指」→「正指」の順です。

準指は県連等の加盟団体が主管で検定を行い、指導員はSAJが検定を行います。

※1級を持っていないがスキースクールで働きたい方は、とりあえず気になるスクールに連絡してみるといいと思います。県ごとに認定指導員の制度があって、そちらを取る事でSAJ的に指導活動が認められます。

受験資格

準指導員

18歳以上のSAJ会員で、前年度以前に1級取得している者。

有効な養成講習を受けている者。

指導員

21歳以上のSAJ会員で、準指導員を取得してから満2シーズン経過している者。

有効な養成講習を受けている者。

申し込み

まず所属するスキークラブ長やその役員に相談しましょう。申し込みはクラブ経由で県連に行います。

指導員検定の受験は、技術検定と違って、「SAJ会員」である必要があります。

SAJ会員でない方は、まずSAJに所属するスキークラブを探してみましょう。スキーをしていそうな知り合いに話を聞いてみたり、自分のいる地域+スキークラブ等でネット検索したりしてみるといいと思います。

養成講習

養成講習(40時間)の内容

・基礎理論12時間(集合講習6時間・自主学習6時間)

・指導実習6時間(2h・4h)

・実技実習22時間(20h・2h)

室内講習や雪上講習、課題作成等の自主学習があります。これらは所属する県毎に行われます。

室内講習では、例えばスキーの理論についてや、スノースポーツ界について勉強したり、スキーの安全についてや良い指導者やコーチングについて等を勉強したりします。

また実技(雪上)では、検定種目の確認や各自スキルアップの課題等について教わります。

有効期間

準指:基礎理論・指導実習2年、実技実習は受験年度のみ。

正指:3年。

修了証は無くさない

スーパー大事です。めちゃくちゃ大事です。

とりあえずコピーを取って、原本は無くさない様に大切に保管して検定会場に持って行きましょう。

検定

合否判定

理論と実技の両方の合格を持って合格。(片方合格時の来年への持ち越し無し)

・理論:筆記のテスト(120点/200点満点)

・実技:スキーのテスト(基礎・実践共に4種目中3種目以上が合格で、かつ全種目の合計が基準点以上)

・準指…各種目75点以上が合格、合計点は600点以上が合格。

・正指…各種目80点以上が合格、合計点は640点以上が合格。

実技種目

基礎課程(ターン数)

プルークボーゲン(4):滑走性の良いプルークボーゲンをします。プルークボーゲンは両スキーともインエッジを使います。

滑走プルーク~基礎パラへの展開(6-8):プルークスタンスからスピードと角付けを強めて基礎パラレルターンへと変化させます。外スキーでしっかりバランスを取りましょう。滑走プルーク2ターン、ワイドスタンスの基礎パラっぽいの2ターン、基礎パラ2ターンを目安に表現すればいいかと思います。滑走プルークとはエッジング強めのプルークスタンスのターンで、内スキーが斜面にフラットぐらいになるものです。

基礎パラ小(フリー):適度なキレとズレのあるショートターン。

横滑りの展開(スペース指示):横滑りからズレの多い基礎パラ小の様な小回りに展開します。苦手な人は、横滑りと小回りで基本的な運動要素が大きく変わらない様に、大きいリズムから小さいリズムへと丁寧に滑りの変化を表現するといいかもしれません。

実践課程(ターン数)

シュテムターン(4-6):ターン始動期に外スキーを開き出し、ターンをしながらパラレルスタンスに戻します。指導員レベルの検定では、谷回り(ターン前半)辺りでパラレルに戻すのを見せれると良いと思います。

パラレルターン大(4-6):パフォーマンスの高くてカッコいい大回りを見せます。

パラレルターン小(フリー):基本は不整地のコブ斜面になると思います。

総合滑降(フリー):斜度変化のあるコースを、例えば大回り→小回り→中回りの様に、リズム変化を取り入れながら滑ります。リズムを変える時にスムーズにターンを繋げられるように気を付けましょう。あとは本人しかわからない程度の微妙なリズム変化ではなく、検定員全員がリズムが変わったと気づけるくらいのリズム変化を見せましょう。

合格した後(研修会)

合格した後は2年に1度以上、指導者研修会に出る必要があります。定期的に参加(修了)してスキーの知識や技術をアップデートしましょう。

研修会は県ごとに行われていて、例えば長野県では基本シーズン頭とシーズン終わりの2回行われています。

あとはスキー大学という、SAJが行っている実技講師陣がデモンストレーター中心の研修会があります。これは中々に楽しそうな感じがしますね(笑)

まとめ

インストラクターは楽しいです。お客さんが笑顔でスキーを楽しんで上達してくれると何とも言えない気持ちになります。

そういったレッスンを行うためには、まず基本的なスキー理論や安全等を知っている必要があります。またその動きを実際に雪上で見せて表現できると、より効果的になります。

指導者検定は、それらのことが学べる良い機会ですので、興味のある方はぜひぜひトライすることをオススメします。

あとはお客さんに自分の言いたい事を正しく伝えるためにコミュニケーションの勉強をしたり、上手に上達に導く為にコーチングの勉強をしたりするとさらに効果の高いレッスンができると思います。

個人的には、この指導者検定が、スキー技術検定みたいにもっと気軽に受験できるシステムだったら、スキーについて勉強する人も自然と増えそうで良いのになぁ、なんて思ったりなんかします。

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