スキーバッジテスト(SAJ)
ようこそ、「スキーの実力のみ」が評価される、情け無用の、弱肉強食の世界へ…
はい(笑)、ここでは、毎年多くの人が悔し涙・喜びの涙を流す、SAJスキー技術検定の「スキーバッジテスト」について解説します。
その前にそもそも「SAJ?スキー技術検定?」という方は、こちら(スキー検定とは)をご覧ください。
では、本題に戻りまして、いざバッジテストを受けてみたいなーと思っても、いろいろわからないことがあると思います。
いつどこでやってるの?申し込み方法は?
お金いくらかかるの?何級受けよう?
はい。では、先にちょろっと大事な事なので「申し込み」についてお話すると、基本的に申し込みは、検定の行われるスキー場のスクールで行う形になります。(他にもスキークラブ等が主催する場合があって、そういう場合はクラブに申し込みます)
料金や集合時間、申し込みの方法、その他注意事項は主催者によって異なりますので、気になる検定会場があれば予めホームページ等で確認すると間違いが起こりません。
それではバッジテストマニアの世界へ参りましょう(笑)
・スキーバッジテストの種類
・級の種類
・難易度のスーパーアバウトな目安
・年齢制限
・受験資格
・事前講習とは
・検定の日程
・申し込み方法
・料金
・評価の観点
・レベル別の種目と合格点
・まとめ
スキーバッジテストの種類
実はSAJのバッジテストの種類は、大きく分けて3つあります。
12歳以下限定の「ジュニアテスト」と、年齢制限なし(子供も受験OK)の「級別テスト」と「プライズテスト」です。
プライズテストは級別テストの上位の検定になります。
級の種類
テストにはそれぞれレベルがあります。
・ジュニアテスト:1・2・3・4・5・6級(1が1番上)
・級別テスト:1・2・3・4・5級(1が1番上)
・プライズテスト:クラウン・テクニカル(クラウンの方が上)
難易度のスーパーアバウトな目安
各級の目安を主観で一文で表してみました。
アバウトなので熟読せずに流し読みしてください(笑)。(本当の評価基準はもっと細かいです。)
・ジュニアテスト1級≒級別テスト2級
・級別テスト5級→簡単な初級コースが滑れる(ハの字)
・4級→初級コースが滑れる(ハの字)
・3級→中級コースが滑れる(一部パラレル)
・2級→上級コースもなんとか滑れる(ここからは全てパラレル)
・1級→上級コースが自分なりに滑れる
・テク→上級コースがリズム良く滑れる
・クラ→上級コースが大体気楽に滑れる
※主観ですのでいろいろな表現があると思います(笑)。ここでの「滑れる」は、コースの「上から下まで止まらずに滑り切れる」というニュアンスで使いました。ちなみに「上級コース」は、コブ斜面やスーパー急斜面を含む、スキー場内全ての上級コースです。
年齢制限
・ジュニアテスト:12歳まで
・級別テスト・プライズテスト:無し(12歳以下もOK)
※野沢温泉は18歳以下の受験申込に保護者の同意が必要です。
その他スキースクールによって「ヘルメット着用」や「保護者の付き添い」などのルールがある場合がありますので事前確認をおススメします。
受験資格
・ジュニアテスト:無し
・級別テスト5級~2級:無し
・級別テスト1級:2級所持者でかつ事前講習修了者
・プライズテスト:テクニカル受験者は1級所持者(クラウン受験者はテクニカル所持者)でかつ事前講習修了者
事前講習とは
1級・テクニカル・クラウンで検定受験前に受講する必要がある講習です。(要:講習代)
検定種目やそれに対する個人のスキー技術について教えてもらえます。
2級は任意で事前講習を受けれます。
1・2級は半日(2時間)、テク・クラは1日(4時間)で、有効期間は「受講した年度」です。
つまり演技の悪い話、いえ縁起の悪い話ですが、もし検定に落ちても、同シーズン中なら、次回以降は修了証を見せれば事前講習を受けずに検定が受けられます。
個人的な意見としては、事前講習では検定向けの個人的な指導も貰えるので、もし時間的・金銭的な都合が付くなら再度受講してもいいんじゃないかなと思います。
検定の日程
ジュニア&級別テスト
各スキースクールのwebサイト又は電話やe-メールで確認しましょう。
プライズテスト
級別テストと同様に各スクールで確認、又はそのスクールが所属する県連のサイトで確認できます。(「○○県スキー連盟+プライズテスト+日程」等で検索)
※野沢温泉スキー場の場合は、級別もプライズもホームページで確認ができます。
申し込み方法
希望級を各スキースクール等で予約または当日申し込みます。
(スキークラブ主催の場合はスキークラブに申し込み(締め切りが早い場合があるので注意))
各スクールによって注意事項があると思うので、一度ホームページ等で確認しましょう。
※野沢温泉の場合(2019)は、検定・事前講習共に、当日の9:45まで日陰本校で受け付けしています。
個人的には、事前予約ができる場合には、朝の混雑でバタバタしないように、できれば注意事項の確認を兼ねての事前予約をオススメします。(※当日受付のみのスクールもあるので注意)
検定の料金
受験レベルによって異なります。あと実は、県毎やスキースクール毎によっても変わってきます。
希望のスキースクールのホームページ等で確認しましょう。
検定料関係の用語
・検定料:全員必要。受験するための費用。
・公認料:受かった人用。合格の記録、バッジや合格証の費用。
・登録料:1級合格者やプライズ事前講習受講者でSAJ会員じゃない人用。一時的なSAJ会員登録費用。
・事前講習代:2級(受講希望者)、1級&プライズ検定で必要。
※事前講習代以外は、現金しか払えない場合がほとんどだと思います。詳しくはスキースクール等に事前に確認するのをおススメします。
例. 野沢温泉スキー場(2019)の場合
検定料・公認料・事前講習(単位:円)
5級:4000・1100・ -
4級:4000・1300・ -
3級:4000・1800・ -
2級:3000・2200・4000(希望者)
1級:4000・3000・4000
テク:5000・5000・5000
クラ:5000・7000・5000
登録料:必要な人のみ(4000円程)(要確認)
ちなみに野沢温泉の場合は、こちらで日程や料金の確認ができます↓
http://www.nozawaski.com/school/ct-badgetest/
評価の観点
SAJの本「資格検定受験者のために」によると評価の観点は4つあります。
・ターン運動の構成(全レベル)
・斜面状況への適応度(全レベル)
・運動の質的内容(3級~クラウン)
・制動技術の習得(5級・4級)
わかりにくいですね(笑)。
例えば、初級レベル(5級・4級)の検定であれば、初級者コースをハの字でキチンとスピードコントロールしながら(斜面状況・制動技術)、左右にターンができているか(ターン運動)が見られます。
3級以上ですと、種目毎に設定された斜面で、一定のスピードの中で一定のターン弧を描きながら(斜面状況・ターン運動)、バランス良く・リズム良くスキー操作をしているか(質的内容)という感じで評価されます。
各レベルの検定種目と合格点
種目のコース選定は、スキー場や検定時期によってコースの斜度や雪面状況が変わるため、同じレベルの検定でも初級者コースを使ったり中級者コースを使ったりと、その時の難易度に応じて各スクール等の検定員が決定します。
どのコースで検定を行うのか気になる場合は、事前に主催者に問い合わせるといいでしょう。
採点方法に関してですが、各種目100点満点で、5-3級は検定員1名が点数を付けます。
2級-クラウンは検定員3名の平均点(小数点以下四捨五入)が、その種目の点数になります。
5級 / 4級
種目:プルークボーゲン
斜面:整地(緩斜面 / 緩・中斜面)
合格点:5級50点 / 4級55点
初級者コースを「プルーク(ハの字)」スタンスで、スピードをコントロールしながら左右にターンをして滑ります。
「整地」とは、コースが平らに整備された状態のことです。
5級と4級の違いは、「5級」は簡単な初級者コース(緩斜面:斜度5°~10°)を一定のターンサイズで滑ることができるのに対し、「4級」はもう少し斜度のある初級者コース(緩・中斜面:10°~15°)をターンサイズを調節しながらリズムを変えて滑ることができるという点です。
3級
種目:基礎パラレルターン、シュテムターン
斜面:整地(緩~中斜面)
合格点:合計120点 / 200点満点
少し斜度のある初級者コース(緩~中斜面:10°~15°)を一定のスピード、ターンサイズで滑ります。
初級者コースや簡単な中級者コースで練習するといいと思います。
・基礎パラレルターン:スキーを(プルークじゃなくて)平行にキープしながらターンをする滑り方
・シュテムターン:ターンの切り替え時にスキーをハの字型にして、ターン中はスキーをパラレルにするという、プルークとパラレルの中間の滑り方
2級
種目:基礎パラレルターン(大回り・小回り)、シュテムターン
斜面:大回り - 中急斜面(ナチュラル)、小回り&シュテム - 中斜面(ナチュラル)
合格点:合計195点 / 300点満点
ここから徐々に難しくなってきます。3級との違いは、コースの斜度と滑りの完成度です。リズム感のある小回りもここで出てきます。
斜度の目安は、小回りやシュテムの中斜面が「15°~20°」と、大回りの中急斜面が「20°~25°」です。「ナチュラル」とは整地のコースを人が滑った後の、いわゆる普通のコースの状態のことです。
まずは中級者コースや簡単な上級コースでも、しっかりスキーをコントロールできるように練習しましょう。
1級
種目:パラレルターン(大回り・小回り)、基礎パラレルターン(小回り)、横滑り
斜面:パラ大回り&基礎小回り&横滑り - 急斜面(ナチュラル)、パラ小回り - 中急斜面(不整地)
合格点:280点 / 400点満点
1級は滑りこんだスキーヤーの1つのゴール地点であり、職業にする人達のスタート地点でもあります。
ここでいう「パラレル(大回り)」とはズレの少ないスピードのある大回りで、「基礎パラレル(小回り)」とは急斜面(25°~30°)においてもバランスやスピードがコントロールされた小回りです。
また「パラレル(小回り)」(不整地)は、一般的に「コブ斜面」で行います。
「横滑り」種目は、文章での説明が難しいので、ぜひネットの動画などで確認して欲しいのですが、一応説明したいと思います(笑)
横滑り:スキーがシャーっと滑って行かないように、スキーを斜面横方向に向けておきながら、上体だけを谷側に向けて、エッジの角度を調節することでズリズリーっと斜面下の方にずり落ちる滑り方。
この横滑りを、横滑り~向きを変えて~横滑り~…とやっていきます。
ポイントは、股関節からスキー操作ができているか(脚の回旋ができているかどうか)です。
横滑り中も向きを変える時も、上体を振り回さずに、脚を使ってスキーの向きやエッジの角度をコントロールすることが大切です。
テクニカル・クラウン
種目:パラレルターン(大回り・小回り×2)、総合滑降
斜面:大回り&小回り1 - 急斜面(ナチュラル)、小回り2 - 中急斜面(不整地)、総合滑降 - 総合斜面
合格点:合計 テク300点 / クラ320点 / 400点満点
テクニカル・クラウンは種目も斜面設定も同じです。よく同時開催されます。
大回りも小回り1も上級斜面をダイナミックに滑ります。不整地小回りでは安定性とダイナミックさの両方が大事です。攻めすぎず、かといって消極的になり過ぎずに日頃の鍛錬の成果を出しましょう。
総合滑降はリズム変化を加えながら滑る種目です。斜度変化のある斜面(総合斜面)を大回り~小回り~中回り等とリズムを変えながら自由にスムーズに、そしてダイナミックに滑ります。
テクニカルとクラウンの差は、スピードやターンの質です。高速ターンの中でも、より高い安定性や正確性が求められます。
まとめ
ということで今回はSAJの技術検定「スキーバッジテスト」について解説してみました。
検定は大会ではないので、個人的には、自分の本気の90%くらいの「頑張って滑ってるけど、どこか余裕が感じられる」的な滑りをして丁寧さを醸(かも)し出すといいのではないかと思います。
とりあえず、緊張して張り切りすぎると大概失敗するので要注意です。(体験談(笑))
興味を持たれた方は、ぜひぜひ挑戦してみて下さい。
検定についてもっと詳しく知りたい方はyoutube等に検定会の動画が上がってたり、検定向けのスキー雑誌やDVDに合格の技術的なポイントや練習方法などが載ってたりするので、そういうのを参考にするといいと思います。(もし自分でもそういうコンテンツを作れそうなら作ってみたいと思います。)
頑張りましょう!